最新の小児歯科学会の論文発表から
フッ素の効果
埋伏過剰歯
年数回、
小児歯科学会より論文集が届きます
先日届いたものの中で
みなさんのお役に立ちそうなものを
いくつか
当院でも歯の質の強化に
フッ素をお勧めしています
フッ素のムシ歯予防の効果は
①酸に溶けにくい歯の質にする
②再石灰化の手助けをする
この辺りがよく言われるフッ素の効果ですが
今回の論文では
③ムシ歯菌の酸の産生を抑制する
という
フッ素の効果について発表がありました
フッ素が細菌の体内にある酸を作る酵素の
働きを抑制するので、
フッ素洗口をした後に糖の液でうがいをすると、
酸の産生が3割程抑えられるというものでした
酸の産生を抑制するには歯垢中のフッ素の
濃度が１０ppm
エナメル質の再石灰化には
唾液中のフッ素濃度が0.05ppm
必要と言われています
フッ素は歯の質に作用するだけでなく、
ムシ歯菌が作る酸を減らす作用もあるんですね
今回はそれともう一つ
上顎正中埋伏過剰歯をご存じでしょうか？
上の前歯の所に
余分な永久歯が存在する場合があります
発現頻度は4～5％と言われています
普通の歯と同じ向きに埋まっている場合は
自然に生えて来ることも多いですが、
逆向きに埋まっていることが多いように
感じます
抜かずに放置しておくと
歯並びに悪影響を起こすことも多く、
歯並びに影響がなく見過ごされたものが
高齢になって脹れてきて
周りの骨や歯の根を溶かす場合もあり、
当院では永久歯へと生え変わるタイミングで
抜歯されることをお勧めしています
さて、逆向きの歯の場合
なんと
歯が鼻の穴の中から生えてくる
こともあるそうです！
今回の論文では
逆向きの歯がどんどん
喉の方に移動して行った
症例が紹介されていました…
僕も因島にいる時に
逆向きの過剰歯がどんどん奥の方に
移動していった症例に遭遇したことが
あります
抜くタイミングを逃すと
お互い大変になります…(T_T)
先日「永久歯の生え方が気になる」
といって来院されたお子さんがおられました
レントゲンを撮ってみると
見事な過剰歯が2本
埋まっていました！
（向かって左に真横に
向かって右に真逆に
埋まっている似たような形の2本が
過剰歯です
時計の10時2分の様に見えているヤツです）
で、1/30 乳歯と一緒に
抜歯しました
こちらが実際に出てきた
過剰歯です
